本日の教育委員会定例会は、「高等学校改革プラン推進委員会」(以下「推進委員会」)に提出する資料について非公開で議論しました。県民の財産である県立高校の将来について、県民の目を避けて非公開で議論したことに対して強く抗議するとともに、県教育委員会や推進委員会が今後地域の声に耳を傾け慎重に審議をすすめることを求めてここに見解を発表します。
今回「高等学校改革プラン推進委員会への提出資料について」の議事を非公開で行いました。このことは、県教育委員会自身が統廃合等の学校名を県民の前で、堂々と議論できないことを認めたものと言わざるをえません。学校現場や地域に出向くことをせず、何回かの議論だけで学校名等を決めるとしたら、県教育委員会は事務局の決定にお墨付きを与えるだけの機関にしかすぎないことになります。
平成17年度の「長野県教育委員会の1年間の行動指針」では、「子ども、保護者、地域の声を大切にし、県民と手を携えて具体的な施策を展開する」と述べられています。県教育委員会は、この県民に示した公約の通り子ども、保護者、地域の声にもっと真摯に耳を傾けるべきです。密室で「具体的な候補」(宮澤教育委員長)をあげて議論するような姑息なことは許されません。
宮澤教育委員長は、次回の教育委員会で「具体的な候補」を含めて議論をすすめる意向を示しました。県教育委員会が学校名をしぼり込むようなやり方をとるならば、推進委員会を地域ごとに設置した意味はまったくありません。学校名を示すことは、それを「たたき台」にするとはいえあまりにも強引で一方的です。学校数や学校名が独り歩きし、これからの議論の行方を左右してしまうのではないかと大変危惧しています。
そもそも1学年6学級という標準目標値については、県民に対し明らかにされ、県民はパブリックコメントを提出することができました。しかし、推進委員会における審議のもとになっている5.5学級から導き出した県立高校76校という数値は、最終回の高等学校改革プラン検討委員会(以下「検討委員会」)の中で提示し承認された数値であり、県民に対し賛否を問う場が設定されなかった数値であることは何回も強調されるべきです。これらの数値に客観的で合理的な根拠がない以上、推進委員会はこの数値をもとに高校の統廃合を単純に「推進」してはならないと考えます。
以上のような立場から、今後の推進委員会はその独自性を発揮し、以下の点について留意して将来の高校教育について議論すすめるよう求めます。
第一に、地域高校などに30人学級を先行的に導入することを検討し、通学区ごとに学校規模のシミュレーションをし直すことです。40人学級を前提にして5.5学級で割り込んだ数値はあくまでも「たたき台」です。地域高校などに30人学級を先行実施し、その上で通学区毎に学校数と学校規模のシミュレーションをして、どのくらいの規模の学校がどのぐらいできるのか明らかにすることです。
第二に、それらの結果などをもとに、誰もが自由に参加して発言できる場を設置し、地域の皆さんから丁寧に意見を聞き取ることが必要です。たとえ小規模の高校でも、地域にとって必要だという声があるかぎり、推進委員会としては存続の道を閉ざしてはなりません。
第三に、推進委員会は中学生や高校生の声を積極的に聞くべきだということです。大規模・小規模の高校に通う高校生の願いや思い、特色学科やいわゆる「普通の」普通高校に通う高校生などの様々な声、これから高校に進学する中学生の願いや要望を聞き取り、今後の高校教育改革に生かしていくことです。当事者の子どもたちの実感や意見から離れて学校の数の議論がされてはなりません。
検討委員会は、地域懇談会やパブリックコメント、高等学校改革プラン懇話会などでだされた多くの意見を無視して、県民から離れた上からの数合わせの議論に終始しました。推進委員会はそのような過ちを繰り返すことなく、各々の地域に根ざした議論を積み重ねることを希望します。
第830回教育委員会定例会の結果と今後の「高等学校改革プラン推進委員会」のすすめ方に関する見解