教育振興基本計画について(声明)
政府は、7月1日、教育振興基本計画を閣議決定しました。
教育振興基本計画は、時の政府による教育介入をすすめる意図をもって改悪された教育基本法第17条に位置づけられたもので、私たちは、同法が改悪された当初からこのような位置づけには反対の立場をとってきました。私たちが政府に求めてきたことは、第一に政府は教育内容に対する不介入の原則に立つこと、第二に計画の策定にあたっては、子どもたちにゆきとどいた教育をすすめるため、子どもの実態、学校の実態を踏まえた教育条件整備に限定して、国の責任での30人学級の実現、教職員定数増をはじめとする具体的な計画を立案すべきという2つのことでした。
しかし、閣議決定された教育振興基本計画は、「特に重点的に取り組むべき事項」の筆頭に、「新学習指導要領の実施」をあげ、競争と管理、格差づくりをすすめる新学習指導要領を押しつけることを強調しています。そして、その結果を点検するために、「学力調査による検証」をあげ、「全国学力・学習状況調査」を継続的に実施するとしています。さらに、「道徳教育や伝統・文化に関する教育」の推進をかかげ、「愛国心」の押しつけをすすめようとしています。
一方、教育条件整備にかかわっては、中教審答申の段階からもさらに後退したものとなっています。この間、教育予算や教職員定数増をめぐって、財務省と文部科学省の間で折衝が行われてきましたが、文部科学省案に盛られていた、教育予算をOECD平均なみの対GDP比5%に引き上げるという文言はまったくなく、「OECD諸国など諸外国における公財政支出など教育投資の状況を参考の一つ」と述べるのみとなっています。また、教職員定数増については、答申でさえ、「必要な教職員定数を措置」としていたものを、「教職員定数の適正化」としており、教職員の数を増やすどころか、削減さえ容認する表現となっています。
このように今回閣議決定された教育振興基本計画は、30人学級実現、教育費の無償化、教職員定数の大幅増など教育条件整備を求める多くの国民の願いに背を向ける一方で、国による教育への管理統制の強化をねらうという政府・文科省の教育政策の姿勢を顕著にあらわしたものとなっています。
私たちはこのように重大な問題を含んでいる教育振興基本計画は撤回し、教育の機会均等、義務教育の無償をうたった憲法第26条にもとづく教育条件整備を行うことを強く政府に求めるものです。
2008年7月2日
長野県教職員組合執行委員会