障害児教育のさらなる充実を
   〜長野県特別支援教育連携協議会報告に対する声明〜


  長野県特別支援教育連携協議会は1月29日開催の第5回連携協議会で「報告書」(案)をとりまとめ、2月10日県教育委員会に「報告書」を提出した。私たちは、長野県における障害児教育を充実発展させる立場から、連携協議会の議論について重大な関心をはらい、意見反映や要望等を行ってきた。今回の「報告書」は私たちの願いからすればきわめて不満な内容であり容認できるものではない。ここに、私たちの見解を表明する。
 「報告書」では、新しい学校づくりの方向として長野地区の障害児学校5校の再編計画等について提言している。この中で、盲・ろう学校については専門性を生かした教育の拠点として充実をうたう一方、長野養護学校の過密化解消のためにそれぞれの学校に養護学校の分校を併設するとしている。これらの提言は、障害のある子どもたちの教育のあるべき姿にもとづく検討ではなく、行政の都合による過大規模校解消のためのものといわざるを得ない。一方、旧第2通学区内の高等学校再編による校舎利用としての分校設置の検討も盛り込んだが、これは組合代表が第3案の中で提案した内容の一部が取り入れられたもので、一定の積極面として評価できるものである。
 そもそも、連携協議会に課せられた課題は、「医療・福祉・教育・労働」などの連携により、特別支援教育をどう推進するかの検討であるべきであり、さらには、幼保・小中高・特別支援学校の役割分担とそれぞれの学校のあり方など長野県における障害児教育をどう進めるかという方向性を探ることこそが求められるべきであった。にもかかわらず長野地区の障害児学校の再編問題に論議の中心が移され、本来の障害児教育のあるべき姿の論議からかけ離れてしまった。
 加えて、再編を議論するにあたり、どのような教育を進めるために再編が必要かという視点からでなく、老朽化した校舎の改築問題と過大・過密校解消の課題を重ね合わせ、県財政がきびしいことを理由に財政論を先行させた議論が展開された。県教委の「再編案をのまなくては改築はなくなる」という脅しを背景に関係者の理解をはかろうとしたことは、教育をめぐる論議をゆがめることとなった。こうした姿勢は批判されるべきである。
 しかし、この間の保護者・卒業生・関係者等による運動の展開は、県民世論を高め、障害児教育への理解を広げる結果となった。また、こうした運動が県議会での障害児学校の教員定数に関する質問や、連携協議会のあり方に関する議論などに結びつき、障害児教育充実の方向を引きだすことにつながった。私たちは、多くの県民と共に歩むことこそが、課題解決に重要であることを改めて確信する。
 今後、「報告書」をもとに、県教委は「再編計画」の策定を行うとしているが、計画策定にあたっては、県民・保護者・教職員・関係者等の意見をさらによく聞くよう改めて求めるものである。私たちは「報告書」の不十分さや、残された課題を多くの関係者のみなさんとも共に考え合い、よりよい「再編計画」になるようさらに運動を広げたいと考える。また、これまで十分に議論されていない、長野県としてのあるべき障害児教育像を共につくりあげていきたいと考える。長野県教組は障害児教育のさらなる発展・充実のために奮闘する決意を表明するものである。
                                                                2009年2月10日
                                                                        長野県教職員組合執行委員会