医療制度「改革」関連法案の参議院厚生労働委員会での強行採決および本会議採決に抗議する声明
七月二十五日の参議院厚生労働委員会における政府与党による強行採決は、後半四名の委員の質問が用意されていたにもかかわらず、突然の動議によって行われた。国民の質疑内容を知る権利とともに各委員の質問権も奪ったことになる。これは、国民の声を全く聞こうとしない姿勢と議会制民主主義をじゅうりんする姿勢を表すものである。断固として許すことはできないし、こうした事態のなかでの採決は認められない。そのうえ政府与党は、翌二十六日、本会議にもちこみ、野党欠席の異常事態のまま採決を行い可決に至った。国民大多数の反対を押し切って法案成立を強行した、参議院厚生労働委員会委員長および参議院議長と、これをすすめた小泉首相をはじめとした政府与党の責任は重大である。
政府与党が提出した医療制度「改革」関連法案は、三方一両損といいながら医療保険の財政危機を国民の「痛み」で補おうとするその場しのぎのものであり、それによる国民への負担増は年間一兆五一〇〇億円にものぼる。二千六百万もの反対署名に込められた国民の悲痛な願いを無視した暴挙である。
財政危機の主要因は、政府が国庫負担の割合を削減したことであり、財源不足を国民におしつけることは、国の責任を国民に転嫁したに過ぎない。また、大企業のリストラや中小企業の倒産など長引く不況を放置したまま、国民に負担を押しつけることは、税収不足や保健財源不足など悪循環を引き起こすことになる。日本の医療保険制度は全ての国民が加入し、健康を害したときには安心して医療を受けられるというのが憲法二十五条にのっとった国民皆保険制度であるが、今回の「改革」は受診抑制を引き起こすなど国民の命を削る改悪である。
県教組は、一貫して「医療制度改悪阻止」と「国庫負担増および国民の立場に立った安全安心の医療制度」を求め、署名をはじめとした要請行動や集会にとりくんできた。特に七月二十五日は雨の中、国会前の座り込み行動をもって態度を表明してきた。今回の暴挙としかいいようのないやりかたでの医療「改革」関連法案成立は認めず、断固抗議するものである。そして、負担増の実施をさせないたたかいに引き続き全力をあげることを表明するものである。
二〇〇二年七月二十九日 長野県教職員組合執行委員会