年金「改革」関連法の成立に対する抗議声明

                                                   2004年6月9日
                                                          長野県教職員組合執行委員会

 小泉内閣と自民・公明党は、参議院本会議にて年金制度「改革」関連法の成立を強行した。厚生労働委員会の審議も一方的に打ち切って採決を強行し、しかも議員の質問権を剥奪して数の力で通す手法は、議会制民主主義の否定であり、「良識の府」としてあってはならない暴挙である。衆院段階での自・公・民の「談合」、参院段階での自・公の「強権」によって国会を支配し、多くの国民に「改革」の詳細を知らせない中で、国民の7割が廃案を求める世論を無視して成立を強行したこと自体、政党としての責任が問われるものである。断固として抗議・糾弾するものである。
 
 「百年安心」をうたった政府の年金「改革」法案の当初説明では、「保険料を引き上げるが、上限で固定される」「給付水準を下げるが、現役世代の収入の50%を確保する」としていたが、参議院での審議の中で次のような問題点とたくらみが明らかになった。
@保険料は、国民年金の場合2017年度の16,900円を上限固定するとしていたが、賃金上昇によって20,860円、2027年度には25,680円、2037年度には31,610円になる。厚生年金の場合、今年10月から毎年0.354%ずつ引き上げ、2017年には18.3%(労使折半)で固定するというが、「法案の前提条件が崩れればさらに引き上げる」としている。
A給付額は、「マクロ経済スライド」を導入し、賃金が伸びても給付額は抑えられ次第に低下するしくみとなっている。国民年金で現行の基礎年金満額で月66,000円を46,000円に引き下げられる。厚生年金では、現行59.3%を2023年度に50.2%を確保するとしたものの、それは40年間保険料を納めたサラリーマンと専業主婦のモデル世帯の65歳給付時の場合だけであって、10年後には45.1%、20年後には40.5%まで下がる。共働き夫婦では65歳給付時39.3%から20年後31.7%、男子単身に至っては36.0%から29.0%まで下がる。高齢世帯の6割が公的年金だけで生活している実態を考えれば、老後生活の圧迫は免れない。
B政府・与党は財源不安と確保を理由に、国庫負担割合を3分の1から2分の1へ引き上げるとした10年前の約束を今年もまた先送させた。一方、消費税増税の道筋をつけ、年金生活者への増税や現在実施されている所得税定率減税の廃止、さらに医療・介護制度の改悪をもくろむなど、国民への負担をいっそうすすめようとしている。

 今回の年金制度大改悪により、いっそうの不信と空洞化が広がることは明白であり、年金制度そのものの破綻が危惧される。このような社会保障制度改悪による国民への過度な負担や痛みを押しつけながら、企業に対する法人税減税など不公平税制を温存させ、社会保障の事業主負担の軽減を続けることは、憲法25条に保障された「生存権」を侵害するものであり、社会保障の原則に逆行するものである。
 私たちは、この間、年金「改革」法案の撤回と廃案に向けた署名・職場決議・緊急打電等にとりくんできた。未納・未加入問題をうやむやにしていることも含め、国民世論に背く年金改悪法の成立を強行した政府・与党に対し、厳しい国民の審判を下さねばならない。引き続き、国民の命とくらし・老後の安心のために、社会保障の原則に基づいた年金制度の抜本的な改善をめざして運動を展開するものである。
年金「改革」関連法の成立に対する抗議声明