2007年7月2日

長野県教育委員会

委員長 綿貫隆夫 

高等学校改革プランの今後のすすめ方についての申し入れ

長野県教職員組合

執行委員長 花岡邦明

長野県高等学校教職員組合

執行委員長 高村 裕

 

 さる6月14日「高等学校改革プランの今後のすすめ方について」が発表されました。私たちは、県教育委員会がこれまでの高校改革プランをめぐる混乱の責任を率直に認めたこと、凍結された実施計画を取り下げたこと、そして新たな基準が示されたこと、以上の3点で今後の議論の土台ができたと認識しています。その上で今後の高校再編の進め方について考慮されるべきことについて申し入れいたします。

 まず、飯山高校の二次統合、上伊那農業高校定時制と箕輪工業高校の統合、飯田工業高校と飯田長姫高校の統合という3件の凍結されていない実施計画は、まだ地域の理解を得ているものではないことを指摘します。このまま実施するのではなく、さらなる検討が必要です。あわせて、統合前の高校の在校生の教育条件にかかわって手厚い配慮がなされるべきであることを改めて強調しておきます。

 次に、今後の議論についてですが、14日に行われた記者会見でも、新たな基準がどのようにつくられたのか議論の経過を問う質問が多くありました。議論の妥当性を担保する大前提は、議論が県民に公開されることであると考えます。密室で議論を重ね、その結果のみを公開するような進め方は厳に慎むべきです。

第3に来年度6月ごろに予定されている「再編計画の骨子」作成にあたって、最も重要視されるという高校長会(将来像研究委員会・地区校長会・専門部会)からの意見聴取についてです。任意団体である高校長会の意見が高校改革プランを進める上で意味があるとすれば、各校長が個人的な意見ではなく現場の教職員の代表として現場の総意を述べるときに限られると考えます。このことは随時意見を聴取するという小中学校長会についても同様です。「再編計画の骨子」には職員会議の意見が反映されるということがはっきり示されなければなりません。「魅力と活力ある学校づくり」にあたって、最も大切なのは学校長を含む現場の教職員の主体性が発揮されることであることはいうまでもありません。

第4に、意見聴取の対象に高校長会、小・中学校長会、PTA等、県議会、自治体関係者等という文言はあるものの、生徒、同窓会という教育の当事者ともいうべき人々が排除されていることは理解に苦しみます。これでは本当に魅力ある学校の姿が描けるはずがありません。これまでの高校改革プランが生み出した唯一のしかし最も貴重な成果ともいうべき「県立高校のあり方についての県民的関心の高まり」が、今後の議論に反映されるべきです。そのための方策を県教育委員会は考えるべきです。

だからこそ高等学校改革プラン検討委員会の最終報告が示した公立高校76校という数字にこだわらず、議論の時間を充分保障するべきです。推進委員会に学校数を示し、数合わせの検討を強いたことがどれほど議論を迷走させたか振り返ってみれば明らかです。また議論の時間として概ね2年間という数字が示されていますが、事実上は「再編計画の骨子」が示されるまでの1年間に過ぎません。これでは今年度行われた3件の統合や2件の学科転換の検証を議論に反映させることすらできません。多部制・単位制高校については、現在スタートしている松本筑摩高校と来年度から転換する箕輪工業高校の実績と実態の検証、とくに多部制・単位制高校が夜間定時制高校の現在果たしている役割を担える学校であるかどうかの検証を欠くことはできないはずです。

最後に、障害児教育の視点が欠けていることを指摘します。学校教育法が一部改正され「特別支援教育」として高校においても重要な課題となり、軽度発達障害をはじめ障害のある生徒への高校教育を検討する必要があります。

以上のことから、下記のように求めます。

 

 

1 最終報告が示している公立高校76校という数字、4通学区に1校ずつ多部制・単位制高校と総合学科高校を設置することにこだわらないこと。

2 概ね2年間という議論の時間にこだわることなく、新たにスタートした統合校や学科転換した学校の実態や実績の検証を踏まえるとともに、合意形成のための充分な議論を保障すること。

3 県教育委員会と高校長会との間だけで検討を進めるのではなく、議論を公開するとともに、現場の教職員、生徒、同窓会、地域の関係者をはじめとした、当事者の充分な意見反映を明確にすること。

4 多部制・単位制高校の設置によって夜間定時制高校の統廃合を進めないこと。

5 障害児教育の視点を据えた議論を行うこと。

 

以上