高校改革プランの実施計画策定を延期し、
県民合意の高校改革をすすめることを求めます
2005年12月12日
長野県教職員組合
現在、県下4通学区ごと高校改革プラン(再編)について、推進委員会で検討がすすめられています。この12月中あるいは1月中にまとめを行い、県教委に答申し、県教委は来年の3月に高校再編の「実施計画」を策定し、07年度から実施するとしています。
しかし、県下各地で地域の子どもたちの教育をどのように充実させるのか、魅力ある高校とはどういったものかなどについて県民的な議論が始まったところです。高校改革プランに対する関心も高まり、「対案」作りを含めて具体的な活動も始まりました。これらの声を無視して県教委が高校改革プランの「実施計画」を策定するとすれば、取り返しのつかない大きな混乱をひきおこすことが考えられます。
とりわけ、現在の中学3年生は統廃合の中身が定まらず、志望するまたは志望を検討する高校の今後がわからない段階で、高校受検を迎えることになり、教職員や保護者も含め大きな不安を抱いています。
私たちに寄せられている声にも多くの不安が語られています。
再編対象にあげられた高校の特色ある部活動に入りたいと以前から希望していた中学3年生。しかし、その高校に進学しても、3年生になったときには部が存続するのか保障はありません。
また、地域によっては現在の中学2年生が普通科高校へ進学したくても、近くには十分な数の普通科高校がなくなってしまい、遠距離通学を強いられる不安もあります。
保護者からは「高校改革について新聞やテレビからだけの情報では、詳しいことがよくわからない」「経済的負担が増えてしまうのでは」という不安の声が寄せられています。
しかし、中学校現場には県教委から十分な説明や資料が示されないので、これらの中学生や保護者の声に対して、納得のいく指導や説明をすることができません。中学校の進路指導に対する不信感にもつながりかねず、中学校の教職員は苦悩しています。
このままのスケジュールで「高校改革」をすすめていくならば、子どもや保護者・中学校現場を置き去りにした「改革」になると言わざるを得ません。誰のための、何のための「高校改革」なのでしょう。将来に禍根の残すことのない「高校改革」を望むものです。
そのために、私たちは以下のことを強く求めると同時に、県民のみなさんとともに真の「高校改革」を実現する運動をさらにすすめていきます。
1.推進委員会ではさらに十分な時間をかけた検討を行い、12月や1月に拙速なまとめをしないこと。また、公聴会を開くなど中学生や高校生、保護者、学校現場、地域の声や願いを汲みあげながら議論をすすめること。
2.長野県教育委員会は来年3月に予定している高校改革プランの「実施計画」策定を延期し、県民的な合意を得られるものにすること。
3.「実施計画」を策定する場合には、中学生や保護者、中学校現場に十分な説明を行い、不安や混乱を招かないために、少なくとも3年以上の期間をおいて実施に移すこと
以上
声明資料
高校改革プランに関する声
2005.12.12
長野県教職員組合
中 学 生
・志望する高校が募集やめるようになったら不安。
・多部制単位制高校というのがよくわからない。
・統合されると大学進学等に向けてのことが心配。
・統合されるとボランティアなどの活動がなくなってしまうのでいやだ。
・高校再編のメリット、デメリットを知りたい。
・統合される2校のレベルの違いをどうするのか。最終的にはどちらかが消えることになるのでは。
・再編される高校に進学しようかどうか悩んでいる。
保 護 者
・高校改革の意味や必要性について県民によくわかるように説明する義務がある。集まってくださいではなく、各地区の小中学校に出向いていって、保護者にもわかりやすく話してほしい。
・たくさんの定時制がなくなってしまうことを多くの親は知らない。高校改革プランについてまったく保護者に伝わってこない。
・新聞やテレビからの情報だけで学校からほとんど話がなく、高校入試に親子で不安を感じている。
・経済的なことを考えるとできるだけ近い地域の高校に進学させたいと思っている。地域の高校がなくなってしまうと親の負担が多くなってしまう。
・現在中学2年生の保護者に対して、県で説明会を開いてほしい。
教 職 員
・「実施計画」の出される時期や実施時期によって、現在の3年生(すでに進路選択をして入学に備えている生徒)への影響をどう考えているのか。少なくとも、入学(学校選択)前に、その生徒たちが不安なく卒業できるまでのビジョンを示すべき。
・改革するにあたって、一番大事な子どもたち(生徒)への必要性やメリットをちゃんと説明してほしい。
・通学に不便を感じる生徒も増える。遠くまで通うことがよい方向になるとは思えない。また、家庭の負担が増え、経済的にかなり厳しい家庭も出てくる。そうした家庭などへの援助をどう考えるか。
・飯水の生徒数の減少を考えれば、現行のままの体制でいくのが不可能なことは当然であると考える。
・あまりに拙速すぎる。提案をして1年で方向を出すということ自体が、保護者、生徒、教職員の同意が得られるわけがなく、強行というしかない。もし、広く県民の意見を聞いてという立場をとるなら、もっと期間と機会を多くとるべき。
・県からの情報が少なく、また新聞報道は未確認情報だと言われ、戸惑うことばかりである。進路指導としては可能な限り正しい情報を多く与えるのが責務である。今回の改革プランにおいては「ホームページを見てください」で足りることだとは思えない。
・生徒、保護者には「あなたたちの学年はこれまでの体制が保障されています」と説明し、とりあえず年度当初の混乱は沈静化しているが、今後の動きいかんによっては、担当者の説明責任が問われかねない状況にあるとも考える。一番先を見通して指導しなければならない職務を担当しながら、先の見えない状況でやりきれなさを感じる。
・中学3年の担任として、親から改革プランについて質問されてもマスコミからの情報しか答えられない。
・議論にあがっている高校の特色ある部活動に入ろうとしている子がいるが、その子が3年生になったとき部活が存続しているか心配。部活がなくなってしまったら、その子は中学校の進路指導についてどう感じるだろうか。
・中学校の現場で高校改革について論議することができず、生徒たちに何も知らせないまま進学させていいのだろうか。
・長野南と坂城の募集が停止されたら、普通科を志望する更埴地区の少なくない中学生は他地区の普通科高校へ行かざるを得ない。生徒、保護者に経済的な負担を強いる結果になる。
・財政的にも生徒数の減少を考えれば仕方ないと思うが、現在の中学3年生が高校を卒業するまでは現状維持が望ましい。
・現中学2年生も含め、高校再編の狭間に立たされる中学生たちに、もっと多くの情報を提供する必要がある。よくわからない状況の中で受検し、いざ入学してみて「こんなはずでは…」と悩むのは子どもたち。
そ の 他
・第1推進委員会の議論の中で、坂城ではなく屋代南が妥当であるという意見が出されたり、地域から長野南ではなく須坂市で1校削減すべきという提案が出されたりしていて、11月末でも議論の方向が見えてこない。
・いろいろな場でいろいろな統廃合案が示されているが、是非もう一度再編案を白紙撤回していただきたい。
・各高校ともこれまで地域の中で多くの人材を輩出し、地域に根付いた教育を行ってきている。単に学級や高校の数合わせの統廃合論議ではすまない。地域の教育再編論議をじっくり行って地域としての展望を持つことが必要。
・各高校が努力している「魅力ある高校づくり」のとりくみの成果も検証が必要。多部制単位制高校の設置については、働く場所の近くにある定時制高校の利便性から、定時制高校を存続した上での設置を求める声もある。
・高校教育の問題だけでなく、義務教育や高校卒業後の教育も含め、地域としての教育のあり方を考えるたいへんよい機会。子どもたちを含めて地域住民としての論議を続け、ニーズを見極めた上で地域としての原案を出していくことが大切。必要なら5年、10年といった検討も保障してほしい。
・推進委員会では必要に応じて地域住民や子どもたちからも独自に意見集約しながら、じっくり論議を深めてほしい。将来に禍根を残さないためにも、地域住民の合意なしで議論を進めることのないよう十分な検討をお願いしたい。推進委員会の答申の報告期限についても、「年内報告」あるいは1月下旬までにまとめ、実施計画策定に間に合わせることが優先されつつある。受検生への影響や地域の歴史を考えれば、議論に時間をかけるのは当然。
・諏訪地域のように地域の議論が始まったばかりのところがあることから、結論を12月に出すことには無理がある。せっかく県民がここまで議論しようという気運が高まってきたこの好機を逃す手はない。非難を浴びてまで高校数削減を推し進めるより、県民の議論で適正な高校数が導き出されるようにすることがよいのは目に見えている。推進委員会での議論を今後も続ければ、そうした状況になることがわかっているので、結論は先延ばしとしたい。
・改革には部分的に賛成。どの高校にも職業的な学習ができることが必要。しかし、改革と高校減は切り離してほしい。財政の問題で子どもが犠牲になるようではまずい。学級の人数を30人規模にすれば学級数も維持できる。大事なところにお金をかけるのが田中県政の特色。できるところで意見を言うのが必要。
