昨日「高等学校改革プラン検討委員会」(以下「検討委員会」)が設置され、第1回の会合が開かれました。私たちは、高等学校改革プラン検討事業が公表された時点より、検討委員会の人選、内容に注視してきました。人選は、学識経験者・教育関係者・経済関係者よりそれぞれ2名選出し、県民より公募で2名を委員に加えることとされていました。しかし、委員の公募は行われませんでしたし、委員会の構成をみると、県内の初等中等教育関係者は一人もいません。地域高校の統廃合が大きなテーマになるにもかかわらず、地域の自治体関係者が含まれていないことも問題です。また、県の教育委員が含まれていることについては、県教育委員会との関係はどうなるのか疑問を感ずるところです。 生徒数の減少や生徒の多様化による教育制度や高校教育のあり方の見直しをする必要性を否定するものではありません。今後の検討にあたり、以下の点について十分に留意するよう求めるものです。

 第1は、高等学校の適正規模や適正配置についてです。学校の適正規模等は、その学校のおかれた地域的な条件や歴史によっても判断されるものであって、教育効果という点や全国的な平均値から機械的に一律に導き出してはならないということです。
 第2は、高等学校の適正規模にはふれていますが、1学級の適正規模にはふれていません。小学校で広がりつつある30人規模学級の教育成果を高等学校でも生かすべきです。30人学級を前提にして改革プランを策定することは、県民の支持を得るはずです。
 第3は、高等学校の特色づくりについてです。「魅力ある学校」や「特色学科」(コース等)を選り分けて規定し、その他の高等学校がいかにも魅力や特色がないという誤解を招くような議論は避けるべきです。また、「魅力」や「特色」の内容を上から決めて、学校に選ばせ押しつけることはあってはなりません。
 第4は、いわゆる「教育改革」と公教育の縮小・スリム化についてです。全国では、効率主義を優先させながら競争と管理を強化する方向で「教育改革」が進行していますが、こうした方向には反対です。また、一部の「エリート校」を育成するために予算を集中させるようなことがあってはなりません。
 第5は、高等学校の入試制度との関連です。来年度入試は学校現場に大きな混乱と戸惑いをもたらしています。特色づくりと入試制度の多様化をリンクさせると、高校のランク付けがよりいっそう進むのではと懸念されます。

 長野県の高校現場では、困難な状況の中にありながら、生徒を中心にして父母や地域の方と共同した学校づくりを進めています。全国に誇るべき様々な教育実践がなされています。真新しい響きのいい「プラン」を机上で論議するのではなく、県民のみなさんや学校現場の声を十分にくみとりながら「プラン」の内容を検討することを求めるものです。 
           高等学校改革プラン検討委員会設置にあたっての見解
                                                                         2004年1月14日
                                                                      長野県教職員組合執行委員会