北教組の政治資金規正法違反についての書記長談話

 昨年8月の衆議院選挙で当選した民主党の小林千代美議員(北海道5区)陣営が、北海道教職員組合(北教組)側から1600万円の政治資金規正法に違反する選挙資金を受け取ったとされる事件で、北教組幹部らが授受にかかわった疑いが強まったとして、札幌地検は3月1日、現職の委員長代理ら4人を政治資金規正法違反の容疑で逮捕しました。

 報道によると、札幌地検は、提供された資金は北教組の裏金から工面され、その一部には、組合の方針で北教組内部にプールされた巨額の公立学校教員の「主任手当」の利息が充てられた可能性があるとみて捜査していると報じられています。

 長野県教組は、選挙にあたっては、「組合員の政党支持・思想信条・政治活動の自由を守ります」という方針を大会で決定しており、組合が組織として特定の政党・候補を支持する路線を排しています。そもそも、労働組合は政党支持や思想信条の違いを超えて、労働者の要求実現のために団結している組織であり、組合員に特定の政党・候補への支持を押しつけることは、労働組合の性格を根本からゆがめるものです。

 今回の北教組の事件では、法違反の献金が問題にされていますが、組合として特定の政党・候補の支持を機関決定し、組織ぐるみでカンパ集めや支持拡大、集会動員等の選挙運動を強要している点に根本的な問題があります。

 一方、公務員は一定の制限は受けているものの、国民として保障されている選挙運動は当然行うことができます。政治的な要求を実現する上で、選挙は重要な場であることは言うまでもありません。長野県教組は、公務員として可能な政治活動については、個人の判断で後援会に加わるなどして大いに行うべきであると考えます。

長野県教組は、以上のような基本姿勢から、選挙において組織内候補を支持する日教組方針には、一貫して反対してきました。政党支持や思想信条の違いを前提として、要求で団結している組合が、特定の政党・候補の支持を機関決定し、組織として選挙運動をする日教組方針は改めるべきであると考えます。

なお、今回の事件で、主任手当にかかわる報道がなされていますが、長野県教組がすすめている「主任手当自覚的拠出運動」では、意義を理解いただいた手当主任から「自覚的拠出」をしていただき、拠出金は「教育条件整備・福祉活動・福利厚生事業・研修・救援など社会的・県民的な支持と理解が得られるようにし、使途の決定は民主的な討議を経て行う」という方針に基づいて、支部ごとに検討し、障害者施設や学童保育所、無認可保育所、フリースクールなどへの寄付や平和教育教材の購入などに充てられており、社会的にも大きな貢献をしてきています。また、拠出金はすべて支部に還元されており、県教組本部には一切プールされていません。

2010年3月2日

長野県教職員組合 書記長 市川 昇