2006長野県人事委員会勧告についての声明
 

 長野県人事委員会は10月13日、長野県知事と県議会に対して職員の給与等に関する報告ならびに勧告をおこなった。月例給・一時金については、従来の比較方法ならば月例給で1,027円(0.25%)の賃金改善になっていたものを、人事院に準じて比較対象企業規模を見直した結果、公民の給与較差が極めて小さいとして、ともに「改定なし」との内容になっている。

 比較対象企業規模の「見直し」は、将来にわたってわれわれの賃金水準決定に継続的な影響を及ぼすものであり、重大な問題を持っている。長野県のように企業規模100人未満の事業所が占める割合が相対的に高い地域では、今後もこの比較方法によれば人事院勧告を上回るマイナス勧告がおこなわれるおそれがある。その結果、われわれの賃金水準が引下げられれば、県内の自治体労働者や民間労働者の賃金水準、ひいては地域経済にも悪影響を及ぼすことになる。
 昨年の給与構造の「見直し」により、2010年度まで昇給号俸数の抑制が行われることになったが、国家公務員のように広域異動手当や本府省手当の支給を前提としていないならば、県職員の昇給号俸数を抑制することは極めて不合理である。また、枠外昇給制度の廃止に伴う給料表の号俸増設についても、長野県における枠外者の在籍実態を十分に反映したものとなっていない。2006年3月31日の給料月額が保障されるとはいえ、新給料表の給料月額が退職手当の算定基礎になることや、号俸増設がなければ若年層にとっては今後到達できる賃金水準が抑制されることから、生活設計上の大問題となるばかりか、職務遂行意欲をも大きく損ねることになる。これらについて今回の勧告で一切触れられていないことは、この間のわれわれの要求を無視したものであり、強い憤りを感じる。
 われわれは、県財政の健全化のために3年間の独自賃金カットに協力してきた。しかし、今回の勧告内容は、厳しい勤務条件の中で懸命の努力を続けてきたわれわれの生活実態の改善に向けた切実な願いに背を向けるものであり、断じて容認することはできない。労働基本権制約の代償機関としての責任を放棄し、賃金改善を見送った県人事委員会に対して強く抗議するものである。
 少子化対策が急務となっている中で、人事院勧告に準じて三人目以降の子等に係る扶養手当を引上げる勧告がされた。しかし、「人事管理に関する課題」では、時間外勤務の縮減や年次休暇等の取得促進について、県当局に対して実効ある対策をとるべきことを述べていない。「女性職員の登用の拡大」についても、過去3年間と同様の記述にとどまっており、極めて不満の残る内容である。今後も勤務条件整備については引き続き改善を求めていく。
 この間、県教組は地公労に結集し、比較対象企業規模の見直しをおこなわないことや号俸増設などを求め、県人事委員会に対する要請署名行動などに積極的にとりくんできた。短期間のとりくみであったが、組合員の総力を挙げたとりくみにより、地公労全体で約20000筆の要請署名を集め、県人事委員会に提出した。こうしたとりくみにより、「人事評価制度の整備」について、「能力開発制度及び業務目標制度の正式な導入にあたっては、試行の結果を踏まえつつ、事前に関係者間で十分な協議を行い、職員の理解を得ながら進めること」を盛り込ませることができた。

 県教組は春闘期から比較企業規模の見直しに反対し、公務員の生活改善につながる人事院勧告・県人事委員会勧告を求め、民間労働組合や全国の公務員の仲間と連帯し、様々なとりくみを積極的に展開してきた。2年連続のマイナス勧告を行わせず、現行の賃金水準を「維持」することはできたが、比較対象企業規模を見直した上での月例給・一時金の改定見送りは決して受け入れることはできない。今後も県教組は地公労に結集し、安易な公務員給与水準の引下げを許さず、能力・実績主義重視の賃金体系の導入については慎重な対応を求め、県職員・教職員の生活と労働条件を守り向上させるため、組織の総力を挙げてとりくむことを表明する。
 全組合員が職場での団結を固め、2006確定期には賃金・待遇改善、勤務条件改善、教育条件向上に向けたとりくみに積極的に応え、力強い運動をつくりだすことを訴える。
 県教組本部はその先頭に立って奮闘する決意である。

                            2006年10月13日 長野県教職員組合執行委員会