県人事委員会の勧告が出されました。県教組執行委員会は、下記の声明を発表しました。
2005長野県人事委員会勧告についての声明
長野県人事委員会は10月7日、長野県知事と県議会に対して職員の給与等に関する報告及び勧告をおこなった。本年の勧告は「本年の給与等に係る改定」と「給与構造の『改革』」の2本立てになっている。
この間の地公労のとりくみにより、県人事委員会は特例条例による賃金カット前と後のそれぞれについての民間給与との比較を行い、2通りの結果を示している。それによると本年の公民較差は、特例条例による賃金カット前の比較で県職員が1,905円(0.47%)上回っていたとし、本年の給与改定にあたっては月例給を0.3%、配偶者に係る扶養手当を500円引き下げ、一時金を0.05月分引き上げるとしている。また、各県独自に作成にすることとなった教育職給料表についても、行政職給料表との均衡を理由に全国人事委員会連合会が示したモデル給料表をそのまま採用して勧告した。しかし、賃金カットが行われている現在、県職員の給与は県職員が20,348円(5.31%)も下回っており、県人事委員会が特例条例の適用がない場合の公民比較により勧告を行ったことは極めて遺憾である。
「給与構造の『改革』」では、国家公務員との均衡を理由に、来年4月から中高齢層を中心に給与水準を平均5%引き下げるとしている。しかし、県人事委員会は毎年、長野県における公民賃金を比較し勧告を行ってきたところであり、本年の勧告における公民較差からも明らかなように、今年給与水準を5%も引き下げる勧告を行うことは何の合理性もなく到底納得できるものではない。勤務実績の給与への反映についても、特別昇給と普通昇給を一本化し勤務成績によって5段階の昇給をさせるとしている。新昇給制度は2006年度から実施し、新制度による最初の昇給は2007年1月1日としているが、勤務実績をどのように評価するのかも明確に示していない。また、国に準じた昇給カーブのフラット化により中高齢層の生活はさらに圧迫される。退職手当や年金にも波及する給与水準低下は生活設計上の大問題となるばかりか、職務遂行意欲をも大きく損ねるものでもある。
今回の勧告内容は、厳しい勤務条件の中で懸命の努力を続けている県職員・教職員の切実な生活実態の改善への願いに背を向け、労働基本権制約の代償機関としての県人事委員会の責任を放棄するものである。さらには、自治体労働者や民間労働者の賃金にも影響を与え、地域経済・雇用情勢の回復傾向にもブレーキをかけることから断じて認めることはできない。
また、人事管理に関する課題の中では、「能力と実績に基づく人事管理制度の推進」として、「制度の実施にあたっては、事前に関係者間で十分な協議を行い、職員の理解を得ながら進める」と報告している。組合との十分な協議が必要であるということは言うまでもない。その他、「総実勤務時間の短縮」については、管理職員に対して時間外勤務の命令を行うにあたっての考慮の必要性を報告しているが、県当局に対して、長時間労働解消に向け実効ある対策をとるべき責任を問うものになっていない。「女性職員の登用の拡大」についても、過去2年間と同様の記述にとどまっており、男女共同参画・次世代育成支援の観点からの記述が国の勧告と比べても曖昧で、極めて不満の残る内容である。
この間、県教組は地公労に結集し、特例条例による県職員への賃金カットが継続されていることを踏まえた勧告を行うよう求め、人事委員会に対して例年以上の要請行動を行ってきた。また、地域給与・給与構造の見直しについては勧告・報告しないことをさらに強く求めるために、組合員による約27000筆もの要請署名を提出し、決起集会を開催した。こうしたとりくみにより県人事委員は職員の声を真摯に受けとめ、結果として本年のマイナス改定分を遡及させず、勤務地による賃金較差を生み出す地域手当を県内一律に支給するという勧告を出させるなど、一定の成果を上げることができた。
県教組は春闘期から公務員の生活改善につながる人事院勧告・県人事委員会勧告を求め、民間労働組合や全国の公務員の仲間と連帯し、多くのとりくみを積極的に展開してきた。今後も県教組は地公労に結集し、県当局に対して独自賃金カットを終了させ、安易な人件費抑制を許さず、能力・実績主義重視の賃金体系の導入については慎重な対応を求め、諸手当の改善、家族看護休暇制度の新設などの諸要求実現をめざし、県職員・教職員の生活と労働条件を守り向上させるため、組織の総力を挙げてとりくむことを表明する。
全組合員が職場での団結を固め、2005確定期には賃金・待遇改善、勤務条件改善、教育条件向上に向けたとりくみに積極的に応え、力強い運動を創り出すことを訴える。
県教組本部はその先頭に立って奮闘する決意である。
2005年10月7日 長野県教職員組合執行委員会
※県人事委員会勧告の詳しい内容は、下記の県人事委員会のホームページで見られます
http://www.pref.nagano.jp/jinjii/kankoku/h17/hyoushi.htm