2004長野県人事委員会「給与等に関する報告」についての声明

                         2004年10月7日

                         長野県教職員組合執行委員会
 

 長野県人事委員会は、10月7日、長野県知事と県議会に対し、2004年の職員の給与に関して、月例給の改定を見送るとともに、一時金を据え置くとする報告を行った。

 この間、県教組は地公労に結集し、人事委員会に対して特例条例による県職員の賃金カットが実施されていることを踏まえて、カット後の額との比較により勧告を行うことを要求してきた。

 これに応え人事委員会は、県職員の給与の特例条例によるカット後の額と、カット前の額のそれぞれについての民間給与との比較を行い、二通りの結果を示した。

それによればカット前の額での比較でも寒冷地手当の見直しを行えば1,151円(0.29%)の較差が出るにもかかわらず、今回「国及び他の都道府県の状況等、諸事情を総合的に勘案した結果」「情勢適応の原則」により月例給の改定を見送るとした。これは1999年に926円(0.25%)の公民較差で改定勧告を行った例を踏まえれば、極めて異例な事態である。また、今回の報告に先立ち9月8日に人事委員会が行った「意見の申出」による寒冷地手当の減額については、今年度から経過措置を設けて実施することを9月21日の交渉において妥結している。それにもかかわらず、人事委員会は、寒冷地手当の減額に関する給与条例改正案が県議会での採決前であること、県民から寒冷地手当の減額分の穴埋めとの批判を受けかねないこと等を理由に、その減額分を考慮しないとしたことは詭弁という他はない。

さらに賃金カットと寒冷地手当減額を行った額で公民比較をした場合、23,350円(6.13%)もの較差が生じるという結果を「特例条例による減額措置は臨時かつ緊急避難的なものである」として勧告の基準に採用しなかったことも極めて遺憾である。

このような県人事委員会の姿勢は、厳しい勤務条件の中で懸命の努力を続けている県職員・教職員の切実な生活改善要求に背を向け、労働基本権剥奪の代償措置としての勧告制度の存在意義を軽視し、その責任を放棄するものであるだけでなく、広く県下の地方公務員や民間労働者の賃金に影響を与え、地域経済・雇用情勢の回復に水を差すものであり、断じて許されない。

 また、人事管理に関する課題の中では「国の公務員改革の動向に留意しつつ、能力等級制や、職務を基本とし実績を反映した給与制度などについて検討を進める」として、「能力と実績に基づく人事管理を推進する」と報告に盛り込んでいる。このことは、公務員制度の問題を「能力実績主義」と「退職管理」に矮小化している国人勧や、国際的に批判の強い労働基本権の剥奪問題を棚上げにしたまま「改革」を断行しようとする政府与党に全面的に追随する姿勢であり、強い憤りを禁じ得ない。

 その他、「総実務時間の短縮」についての報告は、昨年までの報告の域を超えず、県当局に対して長時間労働解消の責任を問うものになっていない。「女性職員の登用の拡大」「職業生活と家庭生活の両立」についても、昨年度と同様の記述にとどまり、男女共同参画・次世代育成支援の観点からの記述が国の人勧に比べても曖昧で、極めて不満の残る内容である。

 県教組は春闘期から公務員の生活改善につながる人事院勧告・県人事委員会勧告に向けて民間労組や全国の公務員の仲間と連帯し、多くのとりくみを積極的に展開してきた。今後とも県教組は地公労共闘に結集し、人件費の抑制と能力・実績主義重視の賃金体系の導入を許さず、県の財政難を理由にした賃金カットの早期復元、諸手当の改善、家族看護休暇制度の新設などの諸要求実現をめざし、県職員・教職員の生活と労働条件を守り向上させるため、組織の総力をあげてとりくむことを表明する。

 全組合員が、職場での団結を固め、2004確定期に向けて、賃金・待遇改善、勤務条件改善、教育条件向上のとりくみに積極的に応え、力強い運動を創り出すことを訴える。

 県教組本部はその先頭に立って奮闘する決意である。